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Portugal/Algarve's Life(ポルトガル・アルガルブから)

ポルトガル・アルガルブ地方の町、Praia da luzでお菓子屋経営 & ときどき旅日記

国籍ごとに見える味覚の違い。

3月1日から再び仕事開始。

当初は自分の専門分野である「フランス菓子屋」として店を始めたけれど実際に始めて見れば自分たちの客層の過半数はイギリス人。その後にドイツ人、オランダ人と続き最近になってやっとフランス人が少し増えてきた感じ。ポルトガルにいるんだけどなぁ

フランス人がここ数年で少しづつ増えてきているのには理由があり、まずポルトガル政府がヨーロッパの年金生活者を対象に、ポルトガルに居住地を置けば10年間、所得税(年金にかかる税金)が免除される、という政策を打ち出したことが一つ。居住地を置いても実際には一年のうち6か月ポルトガルで過ごせばいいのです。

ポルトガルに住むポルトガル人の年金受給者は律儀に税金を取られるのでこの政策、差別じゃないかという気もするけれど合法らしいです。

 もし日本が同じことをしたらと大問題になってますよね。

もう一つは最近の北アフリカやトルコ、南フランス・ニースでのテロ事件、ギリシャの財政不安などから今までその方面に旅行に行っていた人たちが太陽があり且つ安全なポルトガル・アルガルブに流れてきた、という事情があります。事実、キャンピングカーの数は驚くほどにここ数年で増えました。

そんなわけでイギリス人がとても多い環境の中、当然のことながらフランス菓子はもちろんいいけれど、イギリス的なものも求められるわけで…商売をやる側としては当然求められるものを出さなければ意味がない。

どこぞのラーメン屋のように「俺のラーメンが食えねぇだとぉおお?」という風にフランス菓子に固執はしてなかったけれど、いざイギリス的なものっていっても一体なに?イギリス行ったことないし…

そこは心よい数人のイギリス人たちがわざわざレシピの本を持って教えてくれました。

こうしてスコーン、チョコレートエクレア、パブロバ、レモンドリズルケーキ、イースターにはホット・クロス・バンズなど普通フランス菓子屋ではあまり見かけないお菓子が並ぶようになりました。

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と同時に普通フランス菓子屋では大抵置いてあるアイテムの幾つかは消えました。リジューズとか。オペラとか。

そうなると今度は怪訝な顔をするのがフランス人のお客さん。でもしょうがないですよね、絶対数が明らかにイギリス人の方が多いから。

そしてイギリス人の要望に応えるようにしてお菓子のみならず、チキンパイ、ポークパイ、ソーセージロールなど、恐らくイギリスに住んでいる人ならすぐに分かる定番も作るようになりました。

そして幾つかレシピを開拓していくうちに、イギリスにも美味しいものがたくさんあることに気がつきました。フランスでも例に漏れず「イギリス料理はおいしくない」、というイメージが着いてしまっています。ところがどっこい、作ってみれば美味しいものばかり。特にパイ生地に関してはフランス菓子の上を行く種類の多さ。イギリス人はバターや生クリームなど乳製品が好きなんですね。パブロバやチョコレートエクレアのようにホイップクリームたっぷり系、スコーンにもクリームたっぷり、紅茶にはミルクが一般的。数あるパイ生地にもバターたっぷり。

フランス人はお菓子に関してはカスタードクリーム系が好みのようです。それからフランス菓子の方が見栄えはいいですね。

個人的にはフランス人よりもイギリス人の方が接客しやすいことが多いです(笑)。フランス人はやはり文句が多い。ポルトガルに来て「フランス語が通じない」と言われてもねぇ。味へのこだわりはフランス人の方が圧倒的に強くて、フランス人が段々増えてきたここアルガルブで大方のフランス人を満足させるレストランはそうそうありません、残念ながら。イギリス人の方が味への執着が薄い、というかこだわらないというか。その分レストランのお客としてはフランス人よりイギリス人の方がやりやすい(こういういい方も語弊があるが)。でもそうなるとレストランの質がいつまで経っても上がらない。

そして意外だったのがオランダ人。オランダ人って結構“ケチだ”というイメージがフランスでは付いていてオランダ人を良く知らない僕は「そんなものかぁ」と思っていたけれど、僕らの店でのオランダ人の金離れはかなり良い。彼らは自分たちがいいと思ったものにはお金を惜しまず出すようです。

それじゃあポルトガル人はどうなの?

というとこれがなかなか難しくて、彼らは一般的に「好奇心」とか「冒険心」が低いようで自分たちが知らないものにはまず手を出そうとしません。なのでフランス菓子やイギリス菓子を作っている僕の店では必然的にポルトガル人のお客さんの数が限られてしまいます。

ま、しょうがないですね。

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